昨年度末以来新型コロナウイルスの影響で本校新学期のスタートも遅れていましたが,やっと今月から日常が戻りつつあります。落ち着いて読書に向かう気持ちの余裕もできていますか。是非今年も図書館を積極的に利用してください。コロナ禍に負けず本を楽しみましょう。
さて,今年度最初の『ホンノモリ』では,6年生の図書委員が,「映像化された本」をテーマにおすすめ本を紹介しています。



6学年図書委員のおすすめ  「映像化された本」


A

【ぼくは明日,昨日のきみとデートする】  七月隆文 (宝島社文庫)

主人公の南山高寿はある日電車で会った福寿愛美に一目惚れする。しかし,彼女は高寿が住んでいる世界と逆方向に時間が進む世界の人だった。5年に1度,30日間だけ2つの世界を行き来できるが,二人が同じ年齢で会うのとができるのはたった30日だけ。高寿が日ごとに思い出を刻み,ますます彼女のことを好きになっていくが,愛美は日が経つにつれて高寿のことを忘れていく。お互いにお互いのことが好きなのに,時間がすれ違ってういくという不思議な感覚で,切ないストーリーですが,とても魅力的で優しさを感じる作品です。


   六学年 MK さん おすすめ

B

【君の名は】  新海誠 (角川文庫)

山深い田舎町に暮らす女子高校生,三葉は自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋,見知らぬ友人,目の前に広がるのは東京の街並み。一方,東京で暮らす男子高校生,瀧も,山奥の町で自分が女子高校生になる夢を見る。やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくが---。出会うことのない二人の出逢いから運命の歯車が動き出す。
私は2016年に公開された映画を見てこの作品を知りました。


六学年 HK さん おすすめ

C

【マスカレードホテル】  東野圭吾 (集英社)

都内で起きた不可解な連続殺人事件。そこに残された暗号から判明したのは次の犯行現場が一流ホテル’コルテシア東京’だということ。警察とホテルウーマンがコンビを組み謎を解いて行くミステリー小説。この本の見どころは主人公新田とホテルウーマン山岸が繰り広げる会話です。性格も仕事も全く違い,最初はぶつかり合いますが,ストーリーが進むにつれてお互い理解し合い助け合うところが魅力的です。また,ちょっとした行動や台詞に伏線が含まれているのも面白いです。木村拓哉さん主演で映画化されているのでぜひ読んでみてください。


六学年 AT さん おすすめ

D

【密蜂と遠雷 上下】  恩田陸 (玄冬社文庫)

これは国際ピアノコンクールを舞台に四人の音楽家が人生を賭けて音楽と向き合っていく様を描いた物語である。四人に加え,審査員やコンクールを取材しているジャーナリストなど様々な人の視点から語られている。それら全ての登場人物が個性的であり,それぞれの色を持っているので,読み進める程に彼らが愛おしくなる。最後のページを迎えるのが寂しいと思ってしまうくらいだ。そしてこの作品の何より素晴らしいところは言葉が音楽を奏でているところだ。文章から音が,拍手が聴こえるような感覚に陥ったのは初めてだった。恩田陸さんの卓越した表現力がはっきりと表れている作品だと思う。ジャンルに関わらず,一度でも音楽に心が踊るような体験をしたことがある方は楽しめること間違いなしです。


六学年 RN さん おすすめ

E

【夜行観覧車】  湊かなえ (双葉社)

高級住宅街ひばりケ丘に引っ越してきた遠藤家dが,近所の人から嫌がらせを受ける。しかし,向かいの高橋家とは家族ぐるみで親しくなる。遠藤家と高橋家の同学年の彩花と慎司は同じ私立校を目指すが,彩花だけが受験に失敗したことから両家の関係は微妙に変化して行く。その後,高橋家の夫,弘幸が死亡する事件が発生し,慎司と妻の順子が姿を消した。遠藤家でも彩花がいじめられたり,家庭内暴力により異常は悪化してしていった。遠藤家と高橋家で何が起こり,何が彼らを変えたのか。とても面白いのでぜひ読んでみてください。


六学年 TH さん おすすめ

F

【風が強く吹いている】  三浦しおん (新潮文庫)

この本はお正月に行われている箱根駅伝を舞台に描かれています。箱根駅伝を通じて,主人公の仲間を信じる心が成長していく姿を見ることができます。箱根駅伝を観戦したことがない人でも,青春物語として楽しむことができます。自由に外出することができない今,この小説を読み,爽快感を味わってください。


六学年 MS さん おすすめ



司書の先生のおすすめ


G

【流浪の月】  凪良 ゆう (東京創元社)

自由奔放で天真爛漫な性格の少女,更紗ですが両親を失ってから生活が一変します。鬱陶しくて辛いことばかりの日々。そんな時に出会った謎の青年,文との物語です。二人には誰にも知られたくない秘密がありました。読んでいくうちに更紗に感情移入し何度も心を揺さぶられます。そして,文の目線で描かれた第4章では,「あぁ,そういう事だったのか。」と目頭が熱くなりました。二人がどのように出会い,別れ,前に進んでいくのか‥‥。読んだ後は,誰かとこの作品について語り合いたくなるでしょう。本屋大賞受賞,納得の一冊です。


司書 岡部 史磨 先生 おすすめ



新着図書の紹介


5月の新着本

  1. なぜ僕らは働くのか / 池上彰 (学研プラス)
  2. 世界一素朴な質問 宇宙一美しい答え / ジェンマエルウィンハリス (河出書房新社)
  3. 逆ソクラテス / 伊坂幸太郎 (集英社)
  4. たまねぎとはちみつ / 瀧羽麻子 (偕成社)
  5. マンボウは上を向いて眠るのか / 澤井悦郎 (ポプラ社)
  6. むかしむかしあるところに死体がありました / 青柳碧人 (双葉社)
  7. カレンの台所 / 滝沢カレン (サンクチュアリ出版)
  8. 昔話法廷 / 今井雅子 (金の星社)
  9. スマホを落としただけなのに 戦慄するメガロポリス / 志駕晃 (宝島社)
  10. 青い鳥 / 重松清 (新潮文庫)
  11. 英語ネイティブ脳みその作り方 / 白川寧々 (大和書房)
  12. ヴェールドマン仮説 / 西尾維新 (講談社)

4月の新着本

  1. 2030年の世界地図長 新しい経済とSDGs 未来への展望 / 落合陽一 (SBクリエイティブ)
  2. スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営 / 山井太 (日経BP)
  3. 背中の蜘蛛 / 誉田哲也 (双葉社)
  4. 幼な子の聖戦 / 木村友祐 (集英社)
  5. Medium(メディウム) / 相沢紗呼 (講談社)
  6. 水は答えを知っている / 江本勝 (サンマーク出版)
  7. クスノキの番人 / 東野圭吾 (実業之日本社)
  8. 看取り犬 文福の奇跡 / 若山三千彦 (東邦出版)



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